葉巻のサイズは「長さ(mm)」と「リングゲージ(太さ)」という2つの数字で決まります。リングゲージは1インチの64分の1を1単位とする数字で、RG50なら直径およそ19.8mmです。最初の一本で迷ったら、長さ120〜140mm・リングゲージ48〜52のロブストが無難です。葉巻スイタイに掲載中の葉巻のうち、サイズ名と寸法がそろって記録されている581銘柄でも、ロブストは168銘柄で最多でした。
この記事では、リングゲージの換算表、ヴィトラ(サイズ名)16種の実測レンジと参考価格、サイズが味と喫煙時間に与える影響を、掲載データの実数で整理します。
葉巻のサイズ表記の読み方
葉巻のスペックは「127mm × 50」「5 × 50」のように、長さと太さを並べて書きます。
- 長さ: 日本ではmm表記が主流です。産地ではインチ表記が使われ、127mm=5インチ、152mm=6インチ、178mm=7インチが目安になります。
- リングゲージ(RG): 直径を64分の1インチ単位で表した数字です。
RG ÷ 64 × 25.4でmmに換算できます。数字が大きいほど太くなります。
つまり「ロブスト 127×50」は、長さ12.7cm・直径約2cmの葉巻という意味です。
リングゲージ早見表
| リングゲージ | 直径(約) | よく使われるサイズ名 |
|---|---|---|
| 20 | 7.9mm | ミニシガリロ |
| 24 | 9.5mm | シガリロ |
| 30 | 11.9mm | シガリロ |
| 36 | 14.3mm | 小型シガー |
| 38 | 15.1mm | ランセロ |
| 40 | 15.9mm | コロナ・ペティコロナ |
| 42 | 16.7mm | コロナ |
| 44 | 17.5mm | ハーフコロナ |
| 46 | 18.3mm | コロナゴルダ |
| 48 | 19.1mm | チャーチル |
| 50 | 19.8mm | ロブスト |
| 52 | 20.6mm | トロ・ピラミデ |
| 54 | 21.4mm | トロ |
| 56 | 22.2mm | ゴルド |
| 60 | 23.8mm | グラントロ |
直径は小数第1位で四捨五入しています。紙巻きたばこの直径が約8mmなので、RG20前後のミニシガリロがほぼ同じ太さ、RG50のロブストは約2.5倍の太さという見当がつきます。
ヴィトラ(サイズ名)は商品名と一致しない
葉巻には、寸法と形状の組み合わせごとに「ヴィトラ」という規格名が付いています。ロブスト、トロ、チャーチルといった呼び名がそれです。
やや紛らわしいのは、キューバ産葉巻では工場で使う規格名(ヴィトラ・デ・ガレラ)と、店頭に並ぶ商品名(ヴィトラ・デ・サリダ)が別に存在する点です。たとえばモンテクリスト No.2という商品名からサイズは読み取れませんが、規格上はピラミデ(156mm × 52)です。商品名でサイズを推測するのではなく、必ず長さとリングゲージの数字を見るのが確実です。用語の全体像は葉巻用語集にまとめています。
ヴィトラ16種のサイズ実測データ
以下は、葉巻スイタイに掲載中の葉巻のうち、ヴィトラ・長さ・リングゲージがすべて記録されている581銘柄を集計したものです。中央値と、下位10%〜上位90%のレンジを併記しています。
| ヴィトラ | 掲載数 | 長さ中央値 | 長さのレンジ | RG中央値 | RGのレンジ | 参考価格の中央値 | 喫煙時間の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シガリロ | 14 | 100mm | 83〜110mm | 24 | 20〜32 | 2,200円 | 10〜20分 |
| ハーフコロナ | 9 | 92mm | 89〜102mm | 44 | 39〜48 | 1,300円 | 20〜30分 |
| ショートロブスト | 10 | 114mm | 90〜120mm | 50 | 48〜52 | 1,200円 | 25〜35分 |
| プチロブスト | 12 | 110mm | 102〜120mm | 52 | 50〜54 | 5,830円 | 25〜35分 |
| ペティコロナ | 8 | 127mm | 102〜130mm | 42 | 40〜43 | 1,540円 | 30〜40分 |
| ロブスト | 168 | 127mm | 121〜140mm | 50 | 50〜54 | 2,450円 | 45〜60分 |
| コロナ | 52 | 138mm | 102〜152mm | 43 | 40〜48 | 2,150円 | 40〜55分 |
| コロナゴルダ | 18 | 143mm | 133〜154mm | 46 | 46〜48 | 2,650円 | 50〜65分 |
| トロ | 105 | 152mm | 146〜165mm | 52 | 50〜54 | 2,750円 | 60〜75分 |
| グラントロ | 8 | 152mm | 152mm | 60 | 56〜60 | 2,900円 | 70〜90分 |
| ベリコソ | 11 | 139mm | 127〜148mm | 52 | 52〜55 | 3,800円 | 55〜70分 |
| ピラミデ | 11 | 156mm | 154〜156mm | 52 | 52 | 3,300円 | 60〜80分 |
| トルペード | 10 | 154mm | 150〜165mm | 52 | 50〜54 | 2,900円 | 60〜80分 |
| ランセロ | 19 | 178mm | 152〜190mm | 38 | 38〜40 | 2,600円 | 60〜75分 |
| チャーチル | 39 | 178mm | 124〜178mm | 48 | 47〜50 | 2,800円 | 75〜100分 |
| ダブルコロナ | 9 | 194mm | 178〜203mm | 49 | 49〜54 | 4,000円 | 100〜120分 |
参考価格は掲載データに登録されている価格の中央値です。シガリロなどの小型製品は複数本入りのパック価格が混じるため、1本あたりの単価より高く見えることがあります。日本国内のたばこ製品は認可された小売定価で売られるため、同じ銘柄なら販売店による価格差は基本的にありません。喫煙時間は寸法から見た目安で、吸うペースによって前後します。時間の考え方は葉巻は1本何分?で詳しく扱っています。
同じ「ロブスト」でも実測は121〜140mmに散らばる
この表でいちばん注目してほしいのは、レンジの幅です。ロブストは「127mm × 50」が古典的な規格ですが、掲載168銘柄の実測は長さ121〜140mm、リングゲージ50〜54に広がっていました。チャーチルはさらに極端で、124mm〜178mmという開きがあります。ショートチャーチルのように、名前にチャーチルが付いていても実寸はロブスト相当という銘柄が混ざるためです。
ここから言えることはひとつです。サイズ名は目安として使い、選ぶときは長さとリングゲージの数字で判断する。 「トロを1本」と頼んでも、店に置いてある銘柄によって喫煙時間が15分は変わります。
日本で流通しているサイズは太めに寄っている
リングゲージが記録されている927銘柄の分布は、次のとおりです。
| リングゲージ | 銘柄数 | 割合 |
|---|---|---|
| 20〜29 | 35 | 3.8% |
| 30〜39 | 79 | 8.5% |
| 40〜44 | 155 | 16.7% |
| 45〜49 | 124 | 13.4% |
| 50〜54 | 432 | 46.6% |
| 55〜59 | 53 | 5.7% |
| 60以上 | 49 | 5.3% |
RG50〜54だけで全体の半分近くを占めます。長さが記録されている1,092銘柄では、120〜134mmが271銘柄(24.8%)、150〜164mmが236銘柄(21.6%)と、ロブストとトロの帯にはっきり山ができていました。
細身のコロナやランセロが好みでも選択肢は限られる、というのが日本で買える葉巻の現実です。逆に言えば、ロブストとトロのサイズ感さえつかんでおけば、店頭やバーで出会う葉巻の大半に見当がつきます。
サイズで味と吸いやすさはどう変わるか
太いほど味は複雑になり、煙はまろやかになりやすいです。リングゲージが大きいと中身(フィラー)に複数の葉をブレンドする余地が生まれ、燃焼面が広いぶん1か所の温度が上がりにくいためです。一方で、カットと着火の面積が広く、火付けに手間がかかります。RG54を超えると口の中の負担も無視できません。
細いほどラッパー(外葉)の比率が高くなり、外葉の風味が前に出ます。ランセロ(RG38前後)が愛好家に好まれるのはこの性質によるものです。ただし細い葉巻は熱がこもりやすく、速く吸うと苦味が出ます。苦味の原因は葉巻が苦い・まずい原因7つで整理しています。
**長いほど後半の味が変化します。**根元に近づくほど煙の通り道にタールが溜まり、味が濃くなります。チャーチルやダブルコロナが「後半が別の葉巻のように変わる」と言われるのはこのためです。
サイズ4種を並べて比べている短い動画があります。数字だけではつかみにくい実物の差を確認するのに向いています。
なお、リングゲージによってカッターの向き不向きも変わります。RG54以上ではギロチンカッターの刃が足りないことがあるため、葉巻の切り方も合わせて確認しておくと安心です。
目的別のサイズの選び方
1時間以上ゆっくり吸える日:ロブスト(127mm × 50)
最も銘柄数が多く、火の付けやすさと味の複雑さのバランスが取れています。参考価格の中央値は2,450円で、価格帯の選択肢も広いサイズです。
- シャトーフエンテ(114mm × 50・ドミニカ共和国・参考価格2,350円)
- パドロン 2000(127mm × 50・ニカラグア・参考価格2,600円)
- カフェ ハイドパーク(140mm × 49・ドミニカ共和国)
30分前後で切り上げたい日:ハーフコロナ・ショートロブスト
食後や仕事の合間に合うサイズです。参考価格の中央値も1,200〜1,300円と手を出しやすくなっています。
- ハーフコロナ(H・アップマン)(90mm × 44・キューバ)
- クバニトス(107mm × 32・ドミニカ共和国)
細身で外葉の風味を味わいたい:コロナ・ランセロ
- ロメオ No.3(117mm × 40・キューバ)
- モンテクリスト No.3(142mm × 42・キューバ)
2時間かけて味の変化を追う:ダブルコロナ
- ダブルコロナ(オヨ・デ・モンテレイ)(194mm × 49・キューバ)
銘柄そのものの選び方は葉巻の選び方と葉巻初心者におすすめの10銘柄で解説しています。
シガーバーでサイズを伝えるときの言い方
シガーバーでは、銘柄名を覚えていなくてもサイズと時間を伝えれば話が通ります。「40分くらいで終わる細めを」「1時間あるのでロブストで」といった注文で十分です。予算を先に言っておくと、店側も選びやすくなります。
滞在時間に合わせてサイズを選びたいときは、cigar bar escape(新宿区)やCigarBar Shishu Enka(港区)のように初心者向けを掲げる店が入りやすいでしょう。エリアごとの一覧は東京のシガーバーから確認できます。
まとめ
- 葉巻のサイズは長さ(mm)とリングゲージ(64分の1インチ単位の太さ)で表す
- RG50は直径約19.8mm。
RG ÷ 64 × 25.4で換算できる - 掲載581銘柄の集計では、ロブストが168銘柄で最多。RG50〜54が全体の46.6%を占める
- 同じヴィトラ名でも実測はばらつくため、名前ではなく数字で選ぶ
- 太い葉巻は味が複雑でまろやか、細い葉巻は外葉の風味が前に出る
※たばこ製品は20歳になってから。20歳未満の喫煙は法律で禁じられています。喫煙は健康へのリスクを伴います。





