リトルシガーは、見た目が紙巻きたばことほとんど同じでありながら、たばこ税法上は「葉巻たばこ」に分類される製品です。分かれ目は巻紙です。紙巻きたばこが紙で巻くのに対し、リトルシガーはたばこ葉を原料としたシートで巻きます。吸い口にはフィルターが付き、多くは20本入りの箱で売られます。かつて「税が軽いから安い」と説明されましたが、2021年10月に課税方式の見直しが完了し、1本あたりの税負担は紙巻きとほぼ同じになりました。葉巻スイタイのデータベースには6ブランド21銘柄のリトルシガーが登録されており、参考価格は20本入り480〜670円。国内通販12店の掲載価格まで広げると480〜800円です。
※たばこ製品は20歳になってから。20歳未満の喫煙は法律で禁じられています。
リトルシガーとは?定義を決めているのは「巻紙」
リトルシガーの定義は、味や太さではなく巻紙で決まります。紙巻きたばこは紙で巻き、リトルシガーはたばこ葉を原料としたシート(葉巻でいうラッパーに当たる部分)で巻きます。この一点で、たばこ税法上の区分が紙巻たばこから葉巻たばこへ変わります。
形は紙巻きに寄せてあります。フィルター付きで、長さは80〜100mm、直径は8mm前後。カットも着火の作法も要らず、箱から出してそのまま火を点けられます。「小さい葉巻」というより「葉巻の巻紙をまとった紙巻き型のたばこ」と捉えるほうが実態に近いです。
| 種類 | 巻紙 | フィルター | たばこ税の区分 |
|---|---|---|---|
| 紙巻きたばこ | 紙 | あり | 紙巻たばこ |
| リトルシガー | たばこ葉のシート | あり | 葉巻たばこ |
| シガリロ | たばこ葉 | 銘柄により異なる | 葉巻たばこ |
| プレミアムシガー | たばこ葉(手巻き) | なし | 葉巻たばこ |
葉巻そのものの成り立ちは葉巻とは?読み方・意味・種類・作り方で、種類の全体像は葉巻の種類を5つの軸で整理で解説しています。
紙巻きたばことの違いは4点
| 比較項目 | リトルシガー | 紙巻きたばこ |
|---|---|---|
| 巻紙 | たばこ葉のシート | 紙 |
| 税の区分 | 葉巻たばこ | 紙巻たばこ |
| 香り付け | バニラ・チェリー・ワインなど加香タイプが多い | 加香は限定的 |
| 中身 | パイプたばこのブレンドを使う銘柄がある | 刻んだたばこ葉 |
香りの幅は、リトルシガーのほうがはっきり広いです。葉巻スイタイに登録された21銘柄の銘柄名とフレーバー表示を並べると、バニラ、チェリー、グレープ、マンゴー、ダークココア、レッドワイン、ワイルドストロベリー、グリーンアップル、ホワイトクリーム、メンソールが出てきます。たとえばブラックストーン クラシック・バニラは中身にパイプたばこのブレンドを使い、封を開けた時点でバニラの甘い香りが立ちます。香りの好みから選ぶなら、この加香タイプの幅がリトルシガーの持ち味です。香り付きの葉巻をもっと広く見たい場合は甘い葉巻おすすめ18選が対応します。
「リトルシガーは安い」は2026年も本当か
税の面では、もう安くありません。
財務省のたばこ税資料によると、葉巻たばことパイプたばこは重量1gを紙巻きたばこ1本に換算します。ただし1本の重量が1g未満の葉巻たばこは、その1本をそのまま紙巻き1本として数えます。リトルシガーは1本1g未満の製品が中心なので、この規定に当たります。
この換算方法は段階的に導入されました。国税庁の手持品課税の案内にあるとおり、2020年10月からは0.7g未満を0.7本として数える経過措置が置かれ、2021年10月に1g未満・1本換算へ移行しました。つまり2021年10月以降、リトルシガー1本あたりの税額は紙巻き1本と同じ水準です。「紙巻きの7割の税で済む」という説明は、この改正前の状態を指しています。
紙巻き換算1本あたりのたばこ税等は、2026年4月時点で15.244円です。税額の内訳と今後の引き上げ予定は葉巻の値上げ【2026年】にまとめています。国のたばこ税は2027年4月、2028年4月、2029年4月に紙巻き換算1本あたり0.5円ずつ引き上げられる予定で、リトルシガーもこの対象です。
では、それでも紙巻きより安い銘柄があるのはなぜか。税が同じなら、差は税以外の部分にしかありません。原材料、輸入・輸送のコスト、流通、銘柄ごとの価格設定です。安さの根拠が制度から商品側の事情に移ったので、今後は銘柄によって値動きの向きが変わります。値段を判断材料にするなら、箱の価格を本数で割り、1本あたりに直して比べてください。
葉巻の中でリトルシガーはどこに位置するか
葉巻スイタイには公開1,673銘柄・175ブランドが登録されています。ヴィトラ(サイズ規格)別に実測値を集計すると、リトルシガーの立ち位置がはっきりします。表の9件はヴィトラ欄に「リトルシガー」と登録された銘柄で、銘柄名まで含めると21件です。
| 分類 | 銘柄数 | 平均リングゲージ | 平均長さ | 参考価格の幅 |
|---|---|---|---|---|
| リトルシガー | 9 | 19.7 | 93.5mm | 480〜670円 |
| ミニシガリロ | 11 | 20.7 | 81.3mm | 560〜9,350円 |
| シガリロ | 35 | 25.1 | 96.5mm | 290〜15,000円 |
| ハーフコロナ | 17 | 42.5 | 97.1mm | 390〜2,640円 |
| ロブスト | 323 | 51.3 | 127.1mm | 500〜39,600円 |
| 登録銘柄の平均 | 988 | 47.2 | 137.4mm | - |
リングゲージは1/64インチ単位の太さです。リトルシガーの19.7は、スペックが登録された988銘柄の平均47.2の半分以下。参考価格が入った1,352銘柄の下限平均は3,685円で、リトルシガー1箱(480〜800円)の約5〜8倍にあたります。同じ「葉巻たばこ」の枠に入っていても、製品としては別物と考えたほうが混乱しません。
太さの意味は葉巻のサイズ一覧|リングゲージとヴィトラ18種で詳しく扱っています。
リトルシガーとシガリロの違いは「フィルターの有無」ではない
よく見かける説明は「シガリロにはフィルターがないので肺に入れられない」です。ただ、これは実際の製品と合いません。葉巻スイタイの登録データでは、アル・カポネ ポケットフィルターやクラブマスター イエロー シガリロのように、シガリロと呼ばれながらフィルターを持つ銘柄があります。
法令上の区分はどちらも葉巻たばこで、両者を分ける明確な基準はありません。実務上は次のように呼び分けられています。
- リトルシガー:紙巻きとほぼ同じ形状と本数(20本箱)で、フィルター付き。加香タイプが多い
- シガリロ:葉巻の作りを小型化したもの。小さな缶や箱で売られ、太さは20〜30台
シガリロ側の詳細はシガリロとは?葉巻との違い・吸い方・時間・保存にあります。
国内で買えるリトルシガーの銘柄と参考価格
葉巻スイタイに登録された6ブランド21銘柄と、国内通販12店を巡回して取得した128商品の掲載価格から、実際に流通しているリトルシガーを価格順に並べます。価格は参考価格で、店頭価格や在庫は販売店により異なります。
| ブランド | 銘柄の例 | サイズ | 参考価格 | 1本あたり |
|---|---|---|---|---|
| ハーベスト(ドイツ) | キングサイズバニラ | 84mm | 480円(18本) | 約27円 |
| キース(インドネシア) | マイルド | 84mm×RG20 | 570円(20本) | 約29円 |
| チャップマン | スーパースリム・バニラ/チェリー | スーパースリム | 590円 | - |
| スウィッシャースイート(米国) | リトルシガー・メンソール | 100mm×RG20 | 620円(20本) | 31円 |
| コルツ(米国) | リトルシガー・オリジナル | 100mm×RG20 | 650円(20本) | 約33円 |
| ピース(JT) | ピース・リトルシガー | - | 650円(20本) | 約33円 |
| ブラックストーン(米国) | クラシック・バニラ | 100mm×RG20 | 670円(20本) | 約34円 |
| キャプテンブラック(米国) | リトルシガー・クラシック | 100mm×直径7.9mm | 750円 | - |
| シガローネ・タトゥー | チェリー/チョコレート/バニラ | - | 800円 | - |
コルツとキャプテンブラックは香りの展開が広く、コルツはオリジナルのほかバニラ・グレープ・チェリー・ダークココア、キャプテンブラックはクラシック・チェリー・マンゴー・グリーンアップル・ホワイトクリーム・ダーククリームが確認できます。最初の1箱を選ぶなら、香りを抑えたオリジナル系か、はっきり甘い系かを先に決めると絞りやすいです。
どこで買える?コンビニ・たばこ店・通販
コンビニで扱われるのは、JT・フィリップモリス・BATといった大手が出す銘柄が中心です。売り場では紙巻きと同じ棚に並んでいるため、銘柄名を伝えて出してもらう形になります。コンビニで買えるたばこ葉製品の全体像は葉巻はコンビニで買える?で整理しています。ドン・キホーテのたばこ棚でリトルシガーと小型葉巻を見分けるコツは葉巻はドンキで売ってる?にまとめました。
海外ブランドを含めて選びたい場合は、たばこ専門店か通販です。葉巻スイタイには葉巻を買える店が252軒登録されており、天野屋 世田谷たばこセンターやプラセールのように、店頭と通販の両方でリトルシガーを扱う専門店があります。通販の巡回データでは、単箱(300〜1,200円)で在庫が確認できた商品が80件ありました。取扱店の比較は葉巻の通販17店比較、都道府県別の販売店は葉巻はどこで買える?から探せます。
吸い方と、知っておきたい注意点
吸い方に決まりはありません。フィルター付きで紙巻きに近い形なので肺に入れる人もいますし、葉巻と同じように口の中で煙を転がして香りだけを味わう人もいます。ただ、肺に入れれば取り込むニコチンの量は増えます。どちらの吸い方でも健康への影響がなくなるわけではありません。「葉巻だから紙巻きより体にいい」とは言えない、と覚えておいてください。葉巻たばこのニコチン・タール表示の考え方は葉巻のニコチン・タールはどれくらい?、口の中で味わう吸い方の手順は葉巻の吸い方・ふかし方にまとめています。
1本にかかる時間は紙巻きと同じ数分
長さ80〜100mm、直径8mm前後という寸法は紙巻きたばことほぼ同じなので、1本にかかる時間も紙巻きと同じ数分です。登録データでロブスト(平均長さ127.1mm・リングゲージ51.3)が1時間前後かかるのと比べると、時間の使い方がまるで違います。休憩の合い間に1本、という使い方ができるのはリトルシガーの側です。サイズごとの所要時間は葉巻を吸う時間の目安で扱っています。
初めて吸うときの手順
- 箱から1本取り出し、フィルター側を口にくわえる。吸い口は開いているので、カットは要らない
- 先端に火を近づけ、軽く吸いながら全体に火を回す
- 煙を口に含んで1〜2秒、香りを味わってから吐く。紙巻きの癖で最初から深く吸い込まない
- 肺に入れる吸い方に切り替える場合も、少量から慣らす
むせる・まずいと感じる主な原因
- 紙巻きと同じ強さで吸い込んでいる。加香タイプは香りが強く、深く吸うと喉への刺激が先に来る
- 香りが好みと合っていない。バニラ系とメンソール系では印象が大きく変わるので、最初は1箱ずつ試す
- 湿気を吸って風味が落ちている。ドライシガーは密閉して常温で置くのが基本で、加湿は逆効果
保管は楽です。リトルシガーは乾いた状態で仕上げるドライシガーなので、常温・常湿のまま持ち歩けます。プレミアムシガーのようにヒュミドールで湿度を管理する必要はありません。逆に、湿度を足すと風味が崩れます。
リトルシガーの次に試すなら
香りに慣れて、葉巻の味そのものを試したくなったときの順路を、登録データの価格帯から示します。
- シガリロ:290円から。太さ25前後で、リトルシガーからの段差がいちばん小さい
- ハーフコロナ:390円から。太さ42.5、長さ97mmで、プレミアムシガーの味を短時間で確かめられる
- ロブスト:500円から。太さ51.3の定番サイズ。1本にかかる時間の目安は1時間前後
短い時間で試せる銘柄から順に上げていくと、途中でやめて捨てる回数が減ります。銘柄選びの軸は葉巻の選び方、実際に吸える店は全国のシガーバーから探してください。
まとめ
- リトルシガーは巻紙にたばこ葉を使うため、たばこ税法上は葉巻たばこに分類される
- 2021年10月の課税方式見直しで、1本あたりの税負担は紙巻きとほぼ同じになった
- 登録21銘柄の参考価格は20本480〜670円、1本あたり27〜34円。通販の掲載価格まで含めると上限は800円
- 平均リングゲージ19.7は登録銘柄平均47.2の半分以下で、プレミアムシガーとは別物
- シガリロとの境界は法令ではなく販売上の呼び分け。フィルター付きのシガリロも実在する
- ドライシガーなのでヒュミドールは不要。ただし吸い方を変えても健康リスクは残る
※たばこ製品は20歳になってから。20歳未満の喫煙は法律で禁じられています。



