ダビドフ(DAVIDOFF)は、スイスのジノ・ダビドフが築き、現在はドミニカ共和国で葉巻を作る非キューバ系の最高級ブランドです。葉巻スイタイに収録するダビドフ79銘柄の参考価格は1本1,300円〜148,000円と幅が広く、中央値は5,400円。5,000円を切る銘柄も29種あり、「ダビドフ=高すぎて手が出ない」というほどではありません。この記事では収録データをもとに、ラインナップの全体像・値段の相場・初心者向けの選び方・買える店までまとめて解説します。
ダビドフ(DAVIDOFF)とは?キューバを捨ててドミニカへ渡ったブランド
ダビドフの原点は、1906年にキエフで生まれたジノ・ダビドフという一人の人物です。ジノは若い頃に中南米でたばこ栽培を学び、その後スイス・ジュネーブで葉巻店を構えました。自社ブランドとしての葉巻生産が始まったのは1967年、キューバでのことです。
転機は1990年に訪れます。キューバ産葉巻の品質にブランドとして納得できなくなったダビドフは、生産拠点をキューバからドミニカ共和国へ全面的に移しました。看板ブランドがキューバを離れるという当時としては異例の決断で、これ以降ダビドフは「非キューバ葉巻(ニューワールド)の最高峰」という独自の立ち位置を築いていきます。現在はエッティンガー・ダビドフ・グループの基幹ブランドとして展開されています。
キューバ産の代表格であるコイーバとダビドフがしばしば比較されるのは、こうした出自の違いがあるためです。キューバ産と非キューバ産の考え方の差については葉巻の種類ガイドもあわせて読むと理解が早まります。
ダビドフのラインナップは「ホワイトラベル」と「ブラックバンド」で分かれる
ダビドフの銘柄名は「シグネチャー」「ヤマサ」「エスクリオ」など一見バラバラですが、大きく2つの系統に整理すると迷いません。
- ホワイトラベル系(シグネチャー、グランクリュ、ミレニアム ブレンド、アニバーサリオ): ダビドフが長年築いてきた本流。穏やかでクリーミー、雑味のない上品な吸い心地が身上です。
- ブラックバンド系(ニカラグア、エスクリオ、ヤマサ、ウィンストン チャーチル ザ・レイト・アワー): 2010年代に「もっと力強いダビドフを」という要望に応えて生まれた濃厚路線。
ブラックバンド系は素材の狙いがそれぞれ明確です。ニカラグアはニカラグア産の力のある葉を使った濃い口。エスクリオは2015年登場で、ブラジル産のマタ・フィナとクブラ葉を軸にクローブや胡椒のようなスパイス感を出したライン。ヤマサはドミニカのヤマサ地区という難しい土壌でラッパーとバインダーを育てるために20年近い歳月をかけた意欲作で、ダークチョコレートやローストコーヒーを思わせる濃さが特徴です。
ウィンストン チャーチルは葉巻を愛したイギリス首相の名を冠したラインで、2007年に登場し2014年に大幅刷新されました。ホワイトとブラックの中間にあたるバランス型で、ダビドフの中では最も収録数が多い系統のひとつです。ブランド公式チャンネルによる、このラインのテイスティング解説がこちらです。
同じウィンストン チャーチルでも「ザ・レイト・アワー」はブラックバンド側に振った濃い夜向けのブレンドで、性格がはっきり異なります。
ダビドフの値段はいくら?収録79銘柄のライン別・価格実データ
葉巻スイタイが収録するダビドフ79銘柄を、ライン別に参考価格(1本あたり)でまとめたのが次の表です。ダビドフの価格帯の全体像を一覧できるのは、この収録データならではの切り口です。
| ライン | 収録数 | 参考価格(1本) | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| プリメロス | 5 | ¥1,300 | 最も手頃な小型シガー。入口向き |
| ミニシガリロ・クラブ系 | 9 | ¥2,200〜11,000 | 極小サイズ。10〜20本入りが中心 |
| シグネチャー | 13 | ¥3,100〜6,300 | ホワイトラベルの定番・最も穏やか |
| グランクリュ | 6 | ¥3,600〜6,400 | シグネチャーの上位版 |
| ミレニアム ブレンド | 4 | ¥4,000〜6,800 | ホワイトの中では濃いめ |
| ウィンストン チャーチル | 12 | ¥2,750〜8,700 | バランス型。サイズ展開が最も豊富 |
| ニカラグア | 7 | ¥3,400〜7,200 | ブラックバンド。力強い |
| エスクリオ | 6 | ¥3,500〜6,500 | ブラジル葉のスパイシーな一本 |
| ヤマサ | 4 | ¥3,800〜7,900 | ドミニカ・ヤマサ産の濃厚系 |
| アニバーサリオ | 1 | ¥7,900 | 記念ライン |
| ドミニカーナ | 3 | 価格データなし | ドミニカ産葉のみで構成 |
| プーロ ドミニカーノ | 3 | ¥7,000〜8,500 | オールドミニカンの上位 |
| マデューロ | 3 | ¥9,500〜13,000 | 黒く熟成させたラッパー |
| ロイヤル リリース | 2 | ¥20,100〜24,500 | 最上位の希少ライン |
| オロ ブランコ | 1 | ¥135,000 | 超長期熟成の別格品 |
(グランクリュの上限はディアデマス フィナス LE 2024(¥148,000)を、エスクリオの上限は10thアニバーサリー LE(¥12,000)を除いた通常銘柄の値です。参考価格は葉巻スイタイ掲載データに基づく目安です)
表を眺めてまず効いてくるのが、79銘柄の価格中央値が5,400円という数字です。これがダビドフの実質的な相場と考えてよく、しかも5,000円未満が29銘柄と、全体の3分の1以上は1本5,000円以下に収まります。10万円を超えるのはオロ ブランコと限定品だけ。この2つが「ダビドフは高い」という印象を必要以上に押し上げているものの、相場とは切り離して考えるべき別枠です。葉巻全体の価格感は葉巻の値段はいくら?で確認できます。
初心者はどのダビドフから始めるべきか
葉巻スイタイでは銘柄ごとに強さ(1=軽い〜3=強い)と初心者向け度(1〜5、大きいほど初心者向け)を持たせています。ダビドフのデータを見ると、初心者向けの入口ははっきりしています。
- プリメロス(強さ1・初心者向け度5・1本¥1,300): 全長104mm、リングゲージ34と細く短いので20〜30分で吸い終わります。価格も収録銘柄で最安。まず試す一本としては最も条件が揃っています。
- シグネチャー 2000(強さ1・初心者向け度5・1本¥4,500): 127mm×43のコロナサイズ。ダビドフの本流であるホワイトラベルの味を、最も穏やかな形で体験できます。
- シグネチャー No.2(強さ1・初心者向け度4・1本¥5,200): 152mm×38のパネテラ。細身のまま長く楽しみたい人向け。
一方、ニカラグア トロ(強さ2・初心者向け度2)やウィンストン・チャーチル トロ(強さ2・初心者向け度2)といったブラックバンド系・太めのトロサイズは、数本吸って慣れてからのほうが本来の良さがわかります。ブランドを横断して1本目を選びたい場合は初心者におすすめの葉巻10選、選び方の基準そのものを知りたい場合は葉巻の選び方が参考になります。
ダビドフはどこで買える・どこで吸える?
ダビドフは日本国内に直営のシガー専門店を構えている数少ないブランドです。葉巻スイタイに掲載している直営店は次の3店舗です。
| 店舗 | 所在地 | 営業時間 |
|---|---|---|
| ダビドフ オブ ジュネーブ銀座店 | 東京都中央区銀座8-5-6 1F | 平日12:00〜20:00/土日12:00〜19:00 |
| ダビドフ オブ ジュネーブ 東京ミッドタウン店 | 東京都港区赤坂9-7-4 ガレリア1F | 11:00〜20:00 |
| ダビドフ オブ ジュネーブ アカンタ帝国ホテル店 | 東京都千代田区内幸町1-1-1 本館1階 | 11:00〜18:00 |
銀座店では収録データ上、ニカラグア トロやシグネチャー No.2の取り扱いが確認できています。銀座周辺で吸える店を探すなら銀座のシガーバーガイド、収録銘柄をまとめて見たいときはダビドフのブランドページからたどるのが最短です。
直営店以外でも、葉巻を扱うシガーバーや専門店の多くがダビドフを常備しています。営業時間や在庫は変わることがあるため、目当ての銘柄がある場合は事前に店へ確認するのが確実です。
まとめ
ダビドフは1990年にキューバからドミニカへ生産を移し、非キューバ葉巻の最高峰という座を自ら築いたブランドです。収録79銘柄の価格中央値は5,400円、5,000円未満も29銘柄あり、入口は思っているより広く開いています。穏やかなホワイトラベルか、力強いブラックバンドか——まずはこの2系統のどちらが好みかを確かめるところから始めてみてください。
※たばこ製品は20歳になってから。20歳未満の喫煙は法律で禁じられています。






