葉巻スイタイ

シガールームの費用相場と内訳

自宅シガールームの費用は、広さと物件の条件でおおよそ決まります。目安は3畳で約80〜200万円、6畳で約150〜400万円、10畳で約300〜800万円。金額の主役は内装ではなく換気設備で、排気ダクトを外壁までどう通すかが総額を大きく左右します。内訳と、費用を抑える現実的な方法をまとめました。

更新日: / 葉巻スイタイ編集部

費用相場は3畳で約80〜200万円、10畳で約300〜800万円

はじめに結論からお伝えします。自宅にシガールームをつくる場合の総額の目安は、広さ別に次のとおりです。いずれも既存の住宅を改修する前提で、換気・気密・内装をひととおり行った場合の金額です。

広さ想定する使い方総額の目安工期の目安
3畳(書斎・納戸の転用)一人で1〜2本。椅子1脚と小さな棚約80〜200万円約1〜2週間
6畳2〜3人。ソファとヒュミドール棚約150〜400万円約2〜4週間
10畳(ラウンジ仕様)ゲストを招く。カウンターや保管庫の造作約300〜800万円約1〜2か月

レンジの幅が広いのは、シガールームの費用が「広さ」よりも「その部屋の条件」で決まるためです。下限に近づくのは、部屋が外壁に面していて排気ダクトを短く通せる場合、既存の内装をある程度そのまま使える場合、造作家具をつくらない場合です。反対に、家の中央にある部屋で天井裏を長く引き回す、防音を加える、造り付けのカウンターや葉巻保管庫まで含める、といった条件が重なると上限側に寄っていきます。

工期も物件によって変わります。マンションでは管理組合への申請や工事可能な曜日・時間の制約があり、着工までに時間がかかることが一般的です。ここに挙げた数字はすべて目安として捉え、実際の金額と期間は施工会社の現地調査と見積もりでご確認ください。

費用の内訳——いちばん大きいのは内装ではなく換気設備

シガールームの見積書は、おおむね次の5項目に分かれます。一般的なリフォームとの最大の違いは、費用の中心が壁紙や床といった内装ではなく、換気設備にある点です。

項目主な内容費用の目安調整のしやすさ
換気設備排気ファン、ダクト、給気口、外部フード、風量の調整約30〜150万円削れない中心
気密・建具気密性の高いドアへの交換、配管まわりの隙間処理約20〜80万円削れない
内装臭いが染みにくい壁・天井・床材への張り替え約20〜120万円グレードで調整可
電気・空調専用回路の増設、エアコンの増設や移設約10〜60万円設備の状況次第
造作・家具ヒュミドール棚、バーカウンター、間接照明など約0〜200万円任意(省略できる)

換気設備は、葉巻の煙を屋外へ出しきるための中心的な設備です。排気ファン本体だけでなく、天井裏や壁の中を通すダクト、外壁に取り付けるフード、そして排気した分の空気を室内へ入れる給気口までが一式になります。この経路の長さと難易度で金額が動くため、内訳の中でも幅が最も大きい項目です。詳しい設計の考え方はシガールームの換気設計で解説しています。

気密・建具は、煙と臭いを部屋の外へ漏らさないための工事です。既存のドアは隙間が大きいことが多く、気密性の高い建具への交換が基本になります。あわせて、エアコンの配管穴やコンセントボックスなど、目に見えない隙間の処理も行います。ここを省くと、換気設備にいくらかけても廊下や隣室へ臭いが流れます。

内装は、臭いが染み込みにくい壁材・天井材・床材への張り替えです。既存の内装をどこまで残すかで金額が変わり、5項目のなかでは調整の余地が最も大きい部分です。ただし、布地のカーテンや吸い込みやすいクロスをそのまま残すと、あとから黄ばみと臭いの原因になります。

電気・空調は、換気ファン用の専用回路の増設や、エアコンの新設・移設です。分電盤に空きがあるか、既存のエアコンを使えるかで金額が変わります。電気工事は有資格者による施工が必要な範囲があるため、必ず専門業者に依頼してください。

造作・家具は、造り付けのヒュミドール棚やバーカウンターなど、なくても成立する項目です。ここが0円から200万円まで大きく開くため、総額のレンジを広げている主因でもあります。予算を決めるときは、まず換気・気密・内装・電気の4項目で必要額を出し、残りを造作に充てる順序で考えると判断しやすくなります。

同じ広さでも金額が変わる5つの条件

「6畳でいくらか」を一つの数字で答えられないのは、次の5つの条件で金額が上下するためです。自宅がどちら側に近いかを見ると、相場のどのあたりに着地しそうかがおおよそ判断できます。

条件費用が下がる側費用が上がる側
排気ダクトの経路部屋が外壁に面していて、最短距離で屋外へ出せる家の中央にあり、天井裏を長く引き回す必要がある
階数1階や最上階で、経路が単純中間階で、縦方向のダクト経路が必要になる
建物の構造木造・軽量鉄骨で、壁の加工がしやすい鉄筋コンクリート造で、躯体に触れる工事を伴う
防音の要否静かに一人で吸うだけで、防音は不要音楽や来客を想定し、防音・消音を追加する
造作のグレード既製品の家具とヒュミドールを置く造り付けのカウンター・棚・保管庫をつくる

もっとも効くのはダクトの経路です。排気の通り道が長くなるほど、ダクト材料と施工手間が増えるだけでなく、途中の抵抗で風量が落ちるぶん能力の高いファンが必要になります。天井を一部下げる、点検口を増やすといった付帯工事が発生することもあり、同じ広さの部屋でも数十万円の差が出ることは珍しくありません。

建物の構造も見落としがちな要素です。鉄筋コンクリート造は壁の加工に手間がかかり、マンションでは外壁や窓が共用部にあたるため、新しい開口を設けられないことがほとんどです。この場合は既存の換気口を活かす設計になり、実現できるかどうかが物件の条件に左右されます。マンション特有の制約はマンションで葉巻を吸うにはにまとめました。管理規約や工事の可否は物件ごとに異なるため、管理組合と施工会社への確認が前提になります。

費用を抑える現実的な4つの方法

値引き交渉よりも、条件の選び方で下がる部分のほうが大きいのがシガールームの費用です。効果の大きい順に4つ挙げます。

1. 外壁に面した部屋を選ぶ。候補の部屋が複数あるなら、外壁に面していて排気を最短で屋外へ出せる部屋を選ぶだけで、ダクト工事の費用と手間が下がります。「いちばん広い部屋」ではなく「いちばん排気しやすい部屋」から考えるのが、結果的に安く仕上げるコツです。

2. 既存の換気口や開口を活かす。既にある換気口、使っていないエアコンのスリーブ、勝手口まわりの開口などを再利用できれば、新規の穴あけ工事を減らせます。とくにマンションでは、新設ができないぶんこの発想が現実解になります。現地調査の際に、使えそうな開口がないかを一緒に見てもらってください。

3. 内装のグレードで調整する。予算を削るなら、換気・気密ではなく内装が第一候補です。壁と天井は臭いに強い仕上げにしつつ、床は既存を活かす、造作棚は既製品の家具に置き換える、といった調整で数十万円単位が動きます。逆に、換気量を落とす・気密ドアを見送るといった削り方は、部屋そのものが目的を果たせなくなるため避けてください。

4. 新築やリフォームのタイミングに組み込む。いちばん効くのがこれです。建てる前・直す前であれば、ダクト経路と専用回路を最初から図面に入れられるので、天井を開け直す・壁を壊すといった後付け特有の工事が丸ごと不要になります。「いつかシガールームが欲しい」と考えているなら、計画段階で相談しておくのが最大の節約です。広さや物件タイプ別の構成は自宅シガールームの施工パターン集で確認できます。

見積もりでチェックすべき5つのポイント

複数社から見積もりを取ると、金額に大きな開きが出ることがあります。安い見積もりが良い見積もりとは限らないため、次の5点が書かれているかを確認してください。

確認項目見積書で見るところ記載がなければ質問する
換気量の根拠風量や換気回数の数値が書かれているかこの部屋で何回転させる想定か
給気の計画排気だけでなく給気口が計上されているかどこから空気を入れる設計か
気密処理の範囲ドア交換のほか、配管穴などの処理が含まれるか隙間処理はどこまで行うか
申請・法令の確認管理組合への申請や届出の担当が明記されているか必要な手続きと担当はどちらか
アフター対応保証範囲、フィルター清掃、ファン交換の扱い数年後のメンテナンスはどうなるか

とくに注意したいのが、換気の内容が「換気扇1台」としか書かれていない見積もりです。家庭用の換気扇を1台付けるだけなら工事は安く済みますが、葉巻の煙の量に対しては風量が足りず、給気の経路もないため能力どおりに動きません。結果として、煙が部屋に残り、ドアの隙間から廊下へ流れ出す部屋になります。金額だけを比べるのではなく、風量の根拠が示されているかで判断してください。

消防や建築に関する届出、電気工事の資格要件、マンションの管理規約は、物件の所在地や構造によって扱いが変わります。どの手続きが必要でどちらが担当するのかは、自治体・管理組合・施工会社に必ず確認しておきましょう。

施工後にかかるお金(ランニングコスト)

初期費用だけでなく、使い続けるための費用も見込んでおくと、あとから慌てずに済みます。金額はいずれも機種や使い方によって変わるため、目安として捉えてください。

項目内容頻度の目安
換気ファンの電気代消費電力と運転時間で決まる。見積もり時に確認しておく常時
冷暖房費の増加換気量が大きいぶん、空調の効率は下がる常時
フィルター・フード清掃ヤニの付着を放置すると風量が落ちる数か月ごと
ファン・部材の交換機器の寿命に応じた交換。保証範囲を確認10年前後が一つの目安
内装の更新壁材の張り替えなど。仕上げ材の選び方で頻度が変わる年単位で様子を見て判断

維持費で効いてくるのが清掃のしやすさです。フィルターに手が届くか、外部フードの点検ができるかは設計段階で決まってしまうため、見積もりの打ち合わせで「掃除はどうやるのか」を聞いておくと、後々の負担が変わります。

全体像から確認したい方は自宅シガールーム施工ガイドをご覧ください。間取りとご要望をお送りいただければ、実現可否の見立てと費用の目安を無料でお返しします。

よくある質問

6畳のシガールームはいくらかかりますか?

目安として約150〜400万円です。既存の洋室を転用し、外壁に面していて排気ダクトを短く通せる場合は下限側、家の中央にある部屋でダクトを長く引き回す場合や、造作のカウンター・棚を加える場合は上限側に寄ります。同じ6畳でも部屋の位置だけで数十万円変わることがあるため、間取り図をもとに見積もるのが確実です。

DIYで安く仕上げることはできますか?

内装の塗装や家具の設置など、仕上げの一部を自分で行えば費用は下げられます。ただしシガールームの中心である換気設備は、屋外への排気経路の確保、風量の設計、外壁の開口や気密処理が伴い、電気工事には資格が必要です。ここを自作で済ませると、煙が隣室へ漏れる・雨水が入るといった問題につながるため、専門業者への依頼をおすすめします。

防音工事も必要ですか?

煙と臭いの対策に防音は必須ではありません。必要になるのは、音楽をかけたい、来客と会話を楽しみたい、寝室と隣り合っているといった場合です。ただし換気ダクトは音の通り道にもなるため、静かさを求めるならファンの選定と消音処理を最初から設計に入れておくと、後付けよりも安く済みます。

施工後のランニングコストはどのくらいですか?

主な費用は換気ファンの電気代、フィルターや外部フードの清掃、経年でのファン交換です。電気代は機種の消費電力と運転時間で決まるため、見積もり時に消費電力を確認しておくと計算できます。加えて、換気量が大きいぶん冷暖房の効率は下がるため、空調費が増える点も見込んでおくと安心です。

マンションは戸建てより高くつきますか?

工事の範囲そのものは大きく変わりませんが、外壁に新しい穴を開けられないことが多く、既存の換気口やダクト経路を活かす設計になるぶん、調査と計画に手間がかかります。管理規約の確認や管理組合への申請も必要です。条件が合えば戸建てと同程度に収まりますが、経路が確保できない場合は施工自体を見送る判断もあります。

20歳未満の方の喫煙は法律で禁じられています。本記事は住宅の喫煙環境づくりに関する情報提供を目的とし、喫煙をすすめるものではありません。費用・工事内容は物件により異なるため、実際の施工は専門業者にご確認ください。